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【五輪体操】和歌山で育んだ「田中家の体操」、世界を魅了 兄、姉のリベンジ!

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【五輪体操】
和歌山で育んだ「田中家の体操」、世界を魅了 兄、姉のリベンジ!

田中佑典選手(左)のリオ五輪出場が決まり、記念撮影する和仁さん(中央)と理恵さん(右)=6月、東京都(田中章二さん提供) 田中佑典選手(左)のリオ五輪出場が決まり、記念撮影する和仁さん(中央)と理恵さん(右)=6月、東京都(田中章二さん提供)

 小学生時代、佑典選手を指導していた同市の体操教室「和歌山オレンジ体操クラブ」の伊熊博文さん(63)は、体操を始める前の佑典選手について「口数が少なくておとなしい子だった。ご両親は『体操には向いていないかも』と言っていました」と振り返る。しかし、本人の資質に加え体操一家という環境もあり、ぐんぐん力を付けた。「感情を自分の中に収めるタイプだが、周囲のサポートのおかげで、決勝には平常心で臨めたようだ」と話した。

 和仁さん、理恵さんと競い、励まし合いながら技を磨いた少年時代は「上達せざるを得ない環境だった」と苦笑する佑典選手。手本であり、ライバルでもあった2人とともに目指したのが五輪の舞台だった。

 だが、ロンドンでは会場の独特の雰囲気にのまれ、自分の演技ができないまま男子団体では金メダルに届かず、種目別では8位に終わった。「次こそ落ち着いて自分の演技をしてみせる」。そう心に誓い、リオでのリベンジを目指してきた。

 その後の大会でも好調と不調を繰り返し、今回の五輪でも予選では得意の平行棒で落下する痛恨のミス。しかし、「自分は何をしに来たんだというのをもう一度考え、吹っ切れて臨んだ」という決勝での表情は自信にあふれ、美しい田中家の体操を体現してみせた。

 会場で演技を見守っていた章二さんは「息子にチームに貢献してほしい思いがあったが、今日はちゃんとやってくれた。兄と姉の五輪での悔しい思いをリベンジしてくれた」。

 7月に引退を表明し、五輪への思いを弟に託した和仁さんは「予選で失敗したのではらはらしたが、予選とは雰囲気が違うと感じた。しっかりと自分の演技ができていて、着地までいい演技でした」とたたえた。

 ◇

 リオから遠く離れた佑典選手の地元、和歌山でも活躍を見守っていた家族がいた。「演技が終わるごとに『よし!よし!』と独り言を言っていた」と顔をほころばせたのは、和歌山市内に住む佑典選手の祖母、湯川美代子さん(85)。金メダルが決まった後、祝福のために駆けつけた尾花正啓市長に「一つのミスもせずに済んで良かった。よくやってくれた」と話し、安堵の表情を浮かべた。

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