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唯一タツノオトシゴ養殖 絶滅危ぶまれ…生態紹介し年3万人、鹿児島

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唯一タツノオトシゴ養殖 絶滅危ぶまれ…生態紹介し年3万人、鹿児島

水槽のタツノオトシゴに餌を与える加藤紳さん=鹿児島県南九州市の「タツノオトシゴハウス」 水槽のタツノオトシゴに餌を与える加藤紳さん=鹿児島県南九州市の「タツノオトシゴハウス」

 鹿児島県南九州市に国内で唯一、タツノオトシゴを専門に養殖する観光施設「タツノオトシゴハウス」がある。求愛や子育てのユニークな生態を紹介し、年に3万人以上が訪れる。養殖の取り組みには、絶滅が危ぶまれる種を保護する狙いがあり、代表の加藤紳さん(44)は「タツノオトシゴを通して、海の環境を守る大切さを伝えたい」と話している。

 加藤さんによると、タツノオトシゴは漢方薬の原料やペットとして、東南アジアで乱獲が進んでいる。ワシントン条約で国際取引を規制するリストにも掲載された。

 オーストラリアでノウハウを学んだ加藤さんは、餌や水温管理を工夫し、病気にならずに成長させる方法を研究。今では人工飼育したタツノオトシゴの卵から年間1万匹以上を育てるようになった。平成20年には水族館やペットショップに販売する事業を始めた。

 施設は一部を無料公開し、大小七つの水槽でタツノオトシゴに親しむことができる。「求愛やあいさつで尾をつなぐ」「雄がおなかの袋で卵を育てる」などの生態をパネルで紹介し、小学生らの校外学習も受け入れている。

 タツノオトシゴの魅力について、加藤さんは「競争の激しい海をゆったりと泳ぎ、生きている姿がいい。縄張りはなく、小さな個体も大きな個体も互いに攻撃せず共生している。その様子に癒やされる」と話す。

 一方、生態系の破壊で日本でもすみかとなる海藻の群生地が減り、野生のタツノオトシゴは少なくなっているという。加藤さんは「豊かな海をつくるには人々の理解が大切。人と海の関係が学べる場にしていきたい」と語った。

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