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【理研が語る】「切らずに病気を診る」そして「研究成果を臨床現場へ」

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【理研が語る】
「切らずに病気を診る」そして「研究成果を臨床現場へ」

新たに開発したPET用の診断薬を使うと、脳腫瘍をきれいに画像化することができる 新たに開発したPET用の診断薬を使うと、脳腫瘍をきれいに画像化することができる

 身体のなかにあるがんを、身体を切ることなくチェックできる機械があるのをご存じだろうか? 有名なCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)などは病院で検査を受けたことのある人も多いだろう。最近では、PET(ペット)(陽電子放射断層撮影)という機械が注目されている。全身のがんを一度に検査できるPETがん検診などで知っている人もいるかもしれない。

 なぜPETが最近注目されているのか? 一般的に、がんでは特有の物質(分子)の量や、分子の動き(代謝)が変化する。

 がんは発生するときや治療をしたときには「代謝の変化」に続いて「かたちの変化」が起こるといわれている。CTやMRIが「かたちの変化」をみるのに対し、PETはかたちの変化が起こる前の「代謝の変化」をみることが可能な機械だ。したがって、PETを使うことでCTやMRIよりも早く、がんの診断や治療効果の判定が可能であると考えられている。

 昨今、国内外の製薬企業により数多くの抗がん剤が開発されている。しかしながら、どの薬が効くかは投与してみなければ分からない。そして、がんに効いたかどうかを確認するには多くの時間を要する。

 私は抗がん剤の効き目を極めて早期に確認するためのPET用の診断薬の開発に挑戦している。幸いにも新しいPET用の診断薬の開発に成功し、現在、脳腫(しゅ)瘍(よう)をはじめとしたさまざまながんを対象に有効性を確認するための臨床研究を行っている。

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