産経WEST

【JR福知山線脱線事故】「工期も決まり仕方がない」「生々しく現場が残るのはつらい」現場マンションの一部解体工事受け…

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【JR福知山線脱線事故】
「工期も決まり仕方がない」「生々しく現場が残るのはつらい」現場マンションの一部解体工事受け…

解体工事が始まったJR福知山線脱線事故の現場マンション=27日午前11時、兵庫県尼崎市(本社ヘリから、柿平博文撮影) 解体工事が始まったJR福知山線脱線事故の現場マンション=27日午前11時、兵庫県尼崎市(本社ヘリから、柿平博文撮影)

 マンション解体工事を受け、遺族らからは、「工期も決まり仕方がない」という冷静な声が聞かれた一方、反対意見も上がった。

 「いつまでも生々しく現場が残るのはつらい」と語るのは、三男の善弘さん=当時(20)=を失った神戸市北区の下浦邦弘さん(68)。

 愛する息子が亡くなった場所として当初、全部保存を願ったが、JR西日本が平成26年に整備計画を示したのを節目に、受け入れる気持ちに変わった。遺族も高齢化が進み、早く整備する方がいいと考えたからで「風化も困るが、工事は遺族の意見を踏まえたもの。仕方がない」と語った。

 1両目にいた長男、英也さん=当時(44)=を失った兵庫県川西市の植木安さん(85)も「被害者や遺族も理解し、協力する時期にきているのでは」。全身打撲の重傷を負った同県西宮市の団体職員、木村仁美さん(33)も「事故から11年。事故から得た教訓を社会に生かしていく段階に入ったのかな」と心の変化を打ち明けた。

 一方、長女=当時(40)=を失った大阪市城東区の藤崎光子さん(76)は「事故の真相が分からないままなのにマンションを破壊するのは許されない」と全部保存を訴えた。

 次男=当時(18)=を亡くした神戸市北区の上田弘志さん(62)は「実際に工事が始まった。亡くなった息子に謝るしかない」と話した。この日も現場記録のためビデオカメラを回していたが、解体に伴う金属音が聞こえてくると、耳を傾けていた。

「産経WEST」のランキング