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希少な渡り鳥ミゾゴイ2年連続繁殖、ヒナ2羽巣立ち 鳥取・大山 

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希少な渡り鳥ミゾゴイ2年連続繁殖、ヒナ2羽巣立ち 鳥取・大山 

森の巣で順調に育ったミゾゴイのひな2羽。無事に巣立ちした=鳥取県の大山 森の巣で順調に育ったミゾゴイのひな2羽。無事に巣立ちした=鳥取県の大山

 世界的に希少な渡り鳥のサギ「ミゾゴイ」が、鳥取県の大山(1729メートル)のふもとの森で繁殖し、ひな2羽が無事に巣立ちした。親鳥は昨年も同じ場所で繁殖に成功しており、県内で初めて2年連続の繁殖が確認された。

 ミゾゴイの正確な世界生息数は不明。千羽以下ともいわれ、環境省は絶滅危惧II類に指定している。日本には春、繁殖のため、主な越冬地であるフィリピンなどから飛来する。定まった繁殖地は日本(北海道を除く)だけで、生息状況が世界的に注目されている。

 今季は大山の森に4月下旬頃に訪れ、高さ約7メートルの木の枝に営巣した。親鳥が3個の卵を温め、6月5日までに次々と孵化(ふか)。このうち2羽のひなが順調に育った。親鳥は森の腐葉土からミミズ、渓流からサワガニを捕獲し、ひなの餌にしていたらしい。

 2羽のひなは7月9日、巣立ちを迎え、深い森の中に姿を消した。秋には越冬地に旅立つという。

 ミゾゴイは頭や体の上面が赤褐色の地味な装いで、全長約50センチ。生息数が少ない上、森の中で暮らし、警戒時には首を伸ばして静止して周りの木の枝に姿を似せる擬態(ぎたい)をするため、目撃例はほとんどない。

 標高千メートル以下の広葉樹林などで繁殖。生息数はこの50年で激減した。国内では里山の開発などで営巣地が減少。フィリピンでも森林が大幅に減っていることなどから、生息環境が悪化している。

 米子水鳥公園(鳥取県米子市)の神谷要館長は「ミゾゴイは生息確認が難しい野鳥で、生息数の減少が危惧されているだけに、県内での繁殖確認は貴重なケースだ」と話している。

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