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【ファッションおたく】山崎豊子小説のモデル・96歳デザイナー 虚構と実像の間で揺れ動いた家族、本人は「好きなことをしてきた」

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【ファッションおたく】
山崎豊子小説のモデル・96歳デザイナー 虚構と実像の間で揺れ動いた家族、本人は「好きなことをしてきた」

「花のドレス」を制作する近藤年子さん=大阪府吹田市 「花のドレス」を制作する近藤年子さん=大阪府吹田市

「花のドレス」を地元吹田で制作

 「ずっと自分の好きなことをしてきました」。こう笑顔で語るのは、近藤年子さん・96歳だ。作家、山崎豊子さんの小説「女の勲章」のモデルにもなった近藤さんは、戦後の関西の服飾業界を牽引(けんいん)したデザイナー。6年前に業界を引退したが、創作意欲は健在で、昨年に続き今年も生花で作ったドレスを披露した。

 大阪・船場生まれの近藤さんは、戦後、近所の若い女性を集めて洋裁塾兼店舗を開き、占領軍兵士の婦人たちの洋服を縫いながらデザイナーとして自立する。ファッションブランド「TOSSY(トッシー)」を設立し、大阪・平野町にオーダー店、梅田新道にプレタポルテ店をはじめ、阪神百貨店や東京・代官山にも出店(現在は全て閉店)するなど、関西のファッション界を盛り上げた。現在は、社団法人「総合デザイナー協会」の参与を務める。

あくまでもフィクションだが…

 山崎さんが執筆した小説「女の勲章」は、若くして両親を失った大阪・船場生まれの女主人公が虚飾のファッション界を昇っていく軌跡を描く。女のプライドと欲望を利用した男性マネジャーに、3人の弟子を手玉に取られ、翻弄されてゆく…という物語。実在のデザイナーである近藤年子さんや上田安子さん(故人)がモデルとされている。

 山崎さんは足しげく近藤さんの元に通い、取材を重ねたという。小説発表後、「山崎さんの小説のモデルになったと騒がれ、大変だったそうですよ」と困ったような笑みを浮かべるのは近藤さんの姪、畳谷久仁子さんだ。「山崎さんがいろいろ参考になさったとはいえ、ストーリーはあくまでフィクション、虚構の世界です。それが小説のイメージをそのまま抱かれ…。本人はデザイナーとしてブランドのPRにもなるからいいのでしょうが、家族はけっこう複雑な思いでいたと聞いています」と続ける。

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