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【関西の議論】
クロマグロが回転寿司から消える?…名門「勝浦漁協」破綻の衝撃 水揚げ不振の背景に何が
卓越年級群は、水温や外敵が少ないなど、複数の好環境が偶然、重なったことで、通常の数倍の幼魚が生存し、マグロの資源量が極端に多くなる現象で、いわばクロマグロの“団塊の世代”にあたる。
しかし、6年以降はこうした現象が確認されていない。このため島田部長は「勝浦で相次いで水揚げされている大型クロマグロは、この団塊の世代の生き残りだと思う。それ以降は幼魚が極端に多く発生していないため、全体の漁獲量が減っているのでは」と説明する。
個体数を増やすには、各国の協力態勢が不可欠なのは先に示した通りだ。
勝浦港の漁師の男性(42)は「大きいのはおじいちゃんマグロで、脂も少なく、味も劣る。100~200キロの中型のマグロが脂が多くておいしいが、最近はさっぱりとれない」と嘆く。人と同様にクロマグロも少子高齢化が進んでおり、新たなベビーブームの到来が待たれる。