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【関西の議論】
クロマグロが回転寿司から消える?…名門「勝浦漁協」破綻の衝撃 水揚げ不振の背景に何が
一方で、これまでにない大型マグロが次々と水揚げされる不思議な現象も起きていた。同漁協では昨年3月に386キロのクロマグロを揚げ、昭和24年の漁協開設以来の重量記録を更新したのをはじめ、続く4月には411キロ、今年1月には417キロと大物を次々と水揚げし記録を更新。昨年2月から今年2月まで、300キロ以上のクロマグロの水揚げは12本を数えた。
同漁協の丸山一郎参事も「長年、この漁協で働いてきたが、ここまで大型クロマグロの水揚げが続いたことは記憶にない。海の中で何か変化が起こっているのでは」と首をかしげる。
こうした派手な水揚げの一方で総漁獲量は減少しており、同漁協の関係者は傾向として、「市場によく並ぶ100~200キロの中型サイズのクロマグロの漁獲量が減り、全体的に100キロ未満の小さなクロマグロが増えている」という。
実際、同漁協のクロマグロの水揚げ量を捕獲本数で単純に割ったクロマグロ一本当たりの平均重量は平成17年が約140キロだったのに対し、27年は約105キロ。23、25、26年は、100キロを割り込むなど、全体的に小型化の傾向にある。
丸山参事は「大型クロマグロの方が、テレビや新聞で取り上げられるので、話題にはなるが、実際に市場で多く取引されるのは中型。やはり中型のマグロが少ないのは寂しい」と話す。