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【世界からみるWEST】
韓国“バッテリー王国”の期待は泡と消え…テスラCEO「パナだけ使う」とつぶやく
次世代の成長産業にかかわるニュースにはどの国のメディアも敏感だ。米電気自動車(EV)大手テスラ・モーターズの新型セダン「モデル3」に蓄電池を供給するメーカーをめぐる韓国メディアの一喜一憂はその典型かもしれない。韓国サムスンSDIも調達する方向で協議中との一部報道にわき立ったが、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッターに「パナソニックだけだ」と書き込んで否定。その結果、日本から奪った「バッテリー王国」の地位が揺らぐと焦燥感も漂う。
次世代のドル箱
「モデル3などの電気自動車モデルにはパナソニックのバッテリーだけを使うことをはっきりさせたい」
6月上旬、マスク氏のツイッターへの一本の投稿が“から騒ぎ”に終止符を打った。
直前にロイター通信など複数のメディアが「サムスンSDIはテスラにバッテリーと蓄電装置を供給する方向で協議を進めている。関係筋が明らかにした」などと報じ、韓国でも期待感をもって報道されていたからだ。
2017年後半に生産を始める予定のモデル3は米国の基本価格が3万5千ドル(約370万円)と現行車種の半額以下の普及版だ。納車までには1年以上あるが、今春の先行予約では受け付け開始から1週間で予約台数が32万5千台に達する人気ぶりで、モデル3の予約好調を受け、テスラは全モデルを合わせた年間生産台数を18年に50万台に引き上げる計画だ。