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大戦末期に沈んだ駆逐艦「榎」を後世に継ぐ 証言まとめた漫画発刊 福井・小浜

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大戦末期に沈んだ駆逐艦「榎」を後世に継ぐ 証言まとめた漫画発刊 福井・小浜

「ぼくらの駆逐艦・榎-戦後70年の証言-」を自費出版した榎会の山本明生会長(右)と漫画家の永月ににさん=小浜市 「ぼくらの駆逐艦・榎-戦後70年の証言-」を自費出版した榎会の山本明生会長(右)と漫画家の永月ににさん=小浜市

 先の大戦で、福井・小浜湾で機雷に接触し、36人が犠牲になった旧日本軍の駆逐艦「榎」を伝えようと、旧制小浜中の卒業生でつくる「榎会」が漫画「ぼくらの駆逐艦・榎-戦後70年の証言-」を自費出版した。元乗組員と負傷した乗組員が運び込まれた旧制小浜中の卒業生の証言を基に構成されており、福井県小浜市内で24日に記者会見した榎会の山本明生会長(83)は「若い世代にも親しみやすい漫画で、榎の記憶を後世に伝えたい」と話した。

 榎は大戦末期に作られた駆逐艦で、昭和20年6月26日、小浜湾に停泊中、米軍の機雷に接触した。乗組員約300人のうち、36人が死亡。負傷した乗組員は小浜湾近くにあった同校に運び込まれ、生徒らが救護活動などにあたった。

 榎会は戦後、市内に慰霊碑を建立して慰霊を続けており、若い世代にも榎のことを知ってもらおうと漫画化を企画した。昨年9月、山本会長が知人を通じ、京都府福知山市の漫画家、永月ににさん(29)に依頼。永月さんが元乗組員や榎会のメンバー約20人に取材し、証言を基に漫画を仕上げた。

 記者会見で、山本会長は「私たちの気持ちに寄り添って描いていただいた。若い世代に戦争のことや榎のことを知ってもらいたい」とあいさつ。永月さんは「大変な時代の中で、みなさんが明るく頑張っていたことを伝えられるように描いた。中学生や高校生にも読んでもらいたい」と話した。

 500冊を出版し、県内の主要な図書館に寄贈。市内での一般販売も検討している。

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