記事詳細
【衝撃事件の核心】
「ハンバーグから歯!」大手ファミレス〝異物混入〟訴訟の意外な決着
大手食品メーカーの即席焼きそばに虫が入り込み、生産ラインが一時全面停止に追い込まれたことは、まだ記憶に新しい。近年ますます強まっている日本人の〝安全・安心志向〟もあり、食品への異物混入は、作る側には致命傷になりかねない。メーカーだけでなく外食産業もそれは同じ。だが、細心の注意を払っているはずの大手ファミレスチェーンで、トラブルは起きた。「ハンバーグから歯が出てきた!」。客の男性はそう訴え、ファミレス側に損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。実はこの歯、男性自身のインプラント(人工歯)。ハンバーグに石のような硬い物が混じっていて、それでかつて治療した人工歯が取れた、という主張だった。一方のファミレス側は混入を否定。全面対決となった訴訟の行方は-。
「これは何だ」
まずは裁判所が認定した事実をもとに、トラブルの経緯をたどってみる。
約2年前、日曜のランチタイムのこと。大阪府内の大手ファミリーレストランの店舗で、注文したハンバーグとライスを食べていた男性が「ハンバーグから歯が出てきた。責任者を呼んでほしい」と訴えた。
マネジャーが駆けつけると、男性は自分が吐きだした「歯のようなもの」と、血のついた紙ナプキンを見せ、こう迫った。「これは何だ、歯じゃないのか」
話は少々ややこしい。この時点では、男性は自分の人工歯が取れたとは思っていなかったようだ。ハンバーグ内に他人の歯のような異物が混入していたというクレームだった。
男性の怒りは収まらず、「警察を呼ぶ」と告げたため、マネジャーが代わりに通報し、まもなく警察官も店に臨場した。