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【支える・リオパラリンピック(3)】何でも修理 五輪6度目の大役…月城慶一さん(広島国際大教授)

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【支える・リオパラリンピック(3)】
何でも修理 五輪6度目の大役…月城慶一さん(広島国際大教授)

大会期間中、義肢装具や車いすなどのメンテナンス業務を担う月城慶一さん 大会期間中、義肢装具や車いすなどのメンテナンス業務を担う月城慶一さん

 9月に開催されるリオパラリンピックに向けて鍛錬を続ける選手たち。そんなアスリートを技術や環境面で支える人々を紹介する。

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 パラリンピックの大会期間中、アスリートがこぞって足を運ぶ場所がある。選手村や競技会場に設けられた「修理センター」がそれだ。

 ドイツに本社を置く義肢装具のパーツメーカー、オットーボック社が運営。義肢・装具や車いす、溶接に関する高いスキルを備えた技術者たちが、あらゆる注文に対応する。2000年シドニーパラリンピック以降、修理スタッフとして夏季大会にフル参戦しているのが、義肢装具士で広島国際大総合リハビリテーション学部教授の月城(つきしろ)慶一さん(51)だ。

 午前7時から午後11時まで、世界20カ国から集まった約90人の精鋭が2交代制で作業に当たる。「競技を見る余裕はありません。本当にてんてこ舞いで」。12年ロンドン大会では、1667人に2千件を超える修理サービスを提供。これは全参加選手の約39%に当たる。

 依頼は多岐にわたる。最も多いのは車いす。ラグビー、バスケットボールは接触プレーで傷みやすく、パンクしたタイヤやゆがんだホイールの持ち込みは引きも切らない。型取りをして一から義足を作ることもあれば、ユニホームを小さく縫い直したり、壊れたメガネを修理したり。「何でも屋さんです」

 世界最高峰の大会とはいえ、その競技力には大きな開きがある。「ブレーキがなく、キャスターが、ガタガタの車いすを使っている選手もいます」。チームメートから無料で修理してもらえると聞きつければ、一国の選手団が大挙して押し寄せる。まさに“駆け込み寺”だ。

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