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【世界を読む】「中国の夢」は駆け抜けず…中南米で路頭に迷う鉄道事業、もはや「パニック」 幻の超特急!?

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「中国の夢」は駆け抜けず…中南米で路頭に迷う鉄道事業、もはや「パニック」 幻の超特急!?

廃墟のようになったベネズエラ・サラサの高速鉄道関連工場。中国人マネジャーが去ると金目のものは次々と盗まれた。中国による中南米での一大プロジェクトだったが、現実は厳しかったようだ=3月21日(AP) 廃墟のようになったベネズエラ・サラサの高速鉄道関連工場。中国人マネジャーが去ると金目のものは次々と盗まれた。中国による中南米での一大プロジェクトだったが、現実は厳しかったようだ=3月21日(AP)

「経済崩壊」のシンボル

 世界最大級の原油確認埋蔵量を誇り、反米左派のチャベス大統領が率いるベネズエラは当時、中国にとり理想の友好国だった。習近平政権が掲げる中華民族の偉大な復興「中国の夢」は、鉄道事業で地球の裏側にまで伸びる勢いだった。

 工事が順調なら中国式の高速列車はすでに走っているはず。ところがその後、動向を伝える報道はほとんどなくなった。厳しい現実に遭遇していたのだ。

 ベネズエラ内陸部の小都市サラサ。コンクリート製枕木を製造する工場は放棄され、天井や壁もない建物が無残な姿をさらす。昨年1月、最後の中国人マネジャーが去ると、現地では発電機やエアコン、鉄製の外壁や銅線など金目のものが持ち去られたのだ。

 別のセメント工場では数人の現地職員がタバコを吹かすなどし、稼働の気配はない。1年あまり前に10を超す建物で800人が働いていた工場では牛が伸びた草をはんでいた。事業の行き詰まりは明白で、AP通信は「社会主義的な友愛モデルは経済崩壊のシンボルとなり、両国の戦略的関係も漂流しはじめた」と伝えた。

 ベネズエラでは1999年、チャベス氏が大統領に就任して以来、社会主義色の強い政策を実施。豊富な石油資源を元手に、低所得者に住居を与えるなどのバラマキ政策を行ってきた。

 しかし原油安は同国経済を直撃し、物価も高騰して公共サービスも低下。国家鉄道局は給与遅配を繰り返し、労働組合からの突き上げを受けている。チャベス氏の後を引き継いだマドゥロ大統領に、大プロジェクトを遂行する余裕はない。

次々頓挫する中国プロジェクト

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