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【浪速風】ツバメは幸せを運ぶ鳥なのに(5月19日)

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【浪速風】
ツバメは幸せを運ぶ鳥なのに(5月19日)

 フランスの作家ルナールはツバメを「彼女らは私に課業を授けてくれる」と学校の先生に見立てた。「一本の直線を引き、その最後にコンマを打ったと思うと、そこで急に行を変える。途方もなく大きな括弧を描いて、私の住んでいる家をその中に入れてしまう」(岸田国士訳「博物誌」から)

 ▼通勤で利用する駅に毎年のようにやって来るツバメを、今年は見かけない。日本野鳥の会が4年前に行った調査では、約4割の人が「ツバメが減っている」と感じたという。そこで3年間にわたって全国の巣を観察したところ、巣立つヒナの数は農村部で平均約4・3羽、都市部で約3・9羽と差があった。

 ▼子育ての失敗はカラスや猫など天敵に襲われるのが一番の原因だが、フンが汚いなどと巣を撤去してしまうケースが、都市部は10・6%で農村部の7倍にもなった。季節を告げる遠来の客に、ずいぶん冷たいではないか。このままではツバメは何も教えてくれなくなる。

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