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「不公平を是正すべきだ」訴訟費用〝踏み倒し〟横行 罰則なし、甘い資力チェック…問題表面化せず改善先送り

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「不公平を是正すべきだ」訴訟費用〝踏み倒し〟横行 罰則なし、甘い資力チェック…問題表面化せず改善先送り

訴訟費用のうち徴収不能となった件数と割合 訴訟費用のうち徴収不能となった件数と割合

 過去5年の刑事裁判で、訴訟費用の支払いを命じられた被告人の6人に1人が納付義務を逃れ、徴収不能となった総額が5億円を超えている実態が16日、明らかになった。効果的なペナルティーがなく、被告人の資力チェックが厳密でないなど、複数の問題点が指摘されている。改善の必要性がささやかれながら、表面化していなかったため具体的な検討は先送りされてきた。有識者は「不公平な現状を是正すべきだ」と指摘している。

「徴収の難しさ…罰金とまったく違う」

 訴訟費用をめぐっては、刑事訴訟法や刑事訴訟費用法に手続きについての定めがあるが、未納に対する罰則規定はない。

 一方、刑罰の一種である罰金・科料を滞納した場合は、身柄を拘束したうえ受刑者と同様の労働を行わせて支払いに充てる「労役場留置」の処分が可能。このため、最終的に徴収不能となるケースは全体の1%にも満たない。

 「訴訟費用の徴収の難しさは、罰金とはまったく違う」。実務を担当するある地検の事務官はこう言い切った。

 検察は未納者の資産の差し押さえを行うこともできるが、国税当局とは人員も権限の大きさも違う。何より、コストが徴収額を上回ることが見込まれ、実施されるケースはまれだという。

 事務官は「通りいっぺんの督促では相手にされないこともある。相手の方言に言葉遣いを合わせたり、家庭環境や人間関係を把握して会話に取り入れたりと相当な工夫が求められる」と苦労を吐露した。

ベテラン裁判官「資力の調査には限界」

 また、実際には訴訟費用を負担する資力がない被告人に対して、裁判官が支払いを命じるケースも少なくないという。

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