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【熊本地震】南阿蘇村のノロウイルス感染拡大を防げ 阪神大震災を教訓に誕生した災害用浄水機 大阪の中小企業が提供

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【熊本地震】
南阿蘇村のノロウイルス感染拡大を防げ 阪神大震災を教訓に誕生した災害用浄水機 大阪の中小企業が提供

災害用浄水機で避難所の水道水を除菌する「ニューメディカ・テック」の前田芳聡社長=26日、熊本県南阿蘇村 災害用浄水機で避難所の水道水を除菌する「ニューメディカ・テック」の前田芳聡社長=26日、熊本県南阿蘇村

 熊本地震で避難者のノロウイルス感染が確認された熊本県南阿蘇村で、被害の拡大を食い止めようと大阪の中小企業が設置した災害用浄水機が活躍している。汚れた水を飲んで健康を害する被災者が続出した阪神大震災の教訓から考案。わずかな電力でも稼働し、宇宙空間での利用も検討されているという。大阪が生んだ技術が、被災者の乾きをうるおしている。(野々山暢(とおる))

 激しい下痢やおう吐などノロウイルスが原因とみられる症状を訴える人が相次ぎ、27日までに3人が感染、38人の感染が疑われる南阿蘇村。村内最大の避難所である南阿蘇中学校の体育館の脇では、高さ約65センチの災害用浄水機が静かなエンジン音を響かせていた。

 この浄水機は大阪府吹田市の「ニューメディカ・テック」が開発。雨水や海水でもWHO(世界保健機関)が定める安全基準を満たす飲料水に浄化できる。浄水能力は雨水なら1時間で156リットル。消費電力も少なく、車1台分のバッテリーでまかなえる。

 家庭用浄水器では除去が難しいウイルスや有害物質も高水準で取り除くことができ、医療にも使える。村に運び込まれたのも、同社の前田芳(よし)聡(あき)社長(60)が日本赤十字社から「医療用の水が不足している」と救援要請を受けたのがきっかけだった。

 前田社長が到着したのは23日。すでに南阿蘇中で集団感染の疑いが発覚していた。断水の影響で、当時の避難所はバケツにためた水で手を洗うなど不衛生な状態。避難者が「知らないところでノロウイルスが蔓延(まんえん)していると怖い」と訴え、不安も広がっていた。

 水質調査をしたところ、水道水も飲用に適さないことが判明。災害用浄水機の水が手洗いや飲料水として水道の蛇口で使えるよう、水道管も整備した。

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