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【橋本奈実の芸能なで読み】夢も希望もなくした24歳、美人監督を号泣させた“魔界ライブ”

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【橋本奈実の芸能なで読み】
夢も希望もなくした24歳、美人監督を号泣させた“魔界ライブ”

脚本、編集も手掛けた映画「いいにおいのする映画」を語る酒井麻衣監督 脚本、編集も手掛けた映画「いいにおいのする映画」を語る酒井麻衣監督

 金子は映画初出演、吉村も出演本数は少ない。経験が少ないゆえに、芝居に出てしまう、彼ら自身の“色”を逆に大切にした。「せりふはこういう内容を言えばいいから、語尾は自分の言い方に変え、自分の言葉にしてほしいといいました」と振り返る。

 金子は「心で思っていることを体で表現できる。一発勝負の方がいいので、自由にやってもらった」。吉村はテークを重ねるごとに芝居が良くなる。2人が出会った後、場面ごとにどちらの芝居に重点をおくかの案配を考えて撮影した。

 作品に込めたテーマは「それでも信じます」という思い。ヒロインが好きな人にも照明技師という夢に対しても、現実はどうであれ、私は彼が好きで、才能がなくても照明の仕事をやる、という宣言を描いた。

 「自分から動いたら、すてきな世界があるかも、と伝えたい」

モノクロで表現するファンタジーの世界

 今作は自分自身でもある。京都造形大時代も教師にほめられるような、優秀な生徒ではなかったという。ただ、当時教授だった林海象監督だけが、愛あるムチとともに「お前、頑張っているな」と面倒をみてくれた。「お前はファンタジーで頑張れと言ってくれた唯一の方です」と感謝を口にする。

 現場で迷ったとき、「この映画を見たとき、妖精がいないかもと悩んでいた思春期の自分が救われるのか」に立ち返ってきた。やりたいことは何かを常に明確にして取捨選択した。

 モノクロからカラーへと映像が変わる設定も、技術先行ではない。当初やりたかったセピアの映像にすると予算的に、思い描くファンタジーの世界が嘘っぽくなってしまう。「じゃあモノクロで。でも照明技師の話なのに色がないのはどういうことかということで、レイがきらめいた瞬間、カラーにするアイデアが生まれた」という。

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