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冤罪救え!「日本の司法、遅れている」DNA鑑定駆使、米国の活動モデルに「センター」始動…専門家ネットワークで新証拠発掘

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冤罪救え!「日本の司法、遅れている」DNA鑑定駆使、米国の活動モデルに「センター」始動…専門家ネットワークで新証拠発掘

 無実の可能性がある事件を支援する「えん罪救済センター」が4月から、立命館大(京都市)を拠点に活動を開始した。DNA鑑定も駆使し、無罪を次々と明らかにした米国発祥の冤罪救済活動「イノセンス・プロジェクト」がモデル。弁護士や法学者だけでなく、心理学者や科学鑑定の専門家らにもアクセスできるネットワークをつくり、チームで知恵を出し合って新証拠の発掘を目指す。

 有罪判決確定後の再審請求の支援は、日本弁護士連合会も行っているが、対象事件はごく一部。弁護士個人でやるにしても膨大な時間と費用がかかる上、再審請求のノウハウがなければ確定判決見直しにつなげるのは相当に困難だ。

 えん罪救済センターでは、まず常任委員会(10人)で相談が寄せられた個別の事件を検討。科学鑑定などで無罪立証の有力な証拠を得られると判断すれば、事件を受任し、判決確定の前後を問わず救済に乗り出す。

 受任事件では、センターと協力関係にある(1)供述鑑定部門(2)科学鑑定部門(防犯カメラ分析など)(3)DNA鑑定部門-のそれぞれの専門家にアドバイスを仰ぎ、事件の弁護人に打ち返す。鑑定人も紹介する。センターのサポートはすべて無償で行う。

 常任委員には法律関係者だけでなく、情報分析の専門家も名を連ねる。センター代表を務める立命館大の稲葉光行教授も情報学者。被告本人や関係者の膨大な調書をコンピューターで分析し、単語の出現頻度や組み合わせから供述の整合性や矛盾点を明らかにする研究を行っている。

 稲葉教授は捜査機関による事件の検証が不十分と感じているといい、「これまでの司法はあまりに閉鎖的だった。科学技術では世界一、二を争う日本が、司法では遅れている」と話す。多様な専門家がそれぞれの視点で検証すれば、突破口が見いだせるとした。

 センターがモデルとする米国のイノセンス・プロジェクトに参加した甲南大の笹倉香奈教授(法学)によると、米国では1992年にプロジェクトが始まり、今では60以上の団体がある。主にDNA鑑定を使い、これまで300件以上の冤罪を証明した。

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