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ドイツ人俘虜収容所が縁 大阪・大正区で最後の「第九コンサート」 世界的指揮者・西本智実さんがタクト

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ドイツ人俘虜収容所が縁 大阪・大正区で最後の「第九コンサート」 世界的指揮者・西本智実さんがタクト

 捕虜らは6年に徳島県鳴門市(旧板東町)の板東俘虜収容所へ移送。楽団を結成し翌7年6月1日、収容所でアジア初の第九が披露された。収容所を舞台にした物語「バルトの楽(がく)園(えん)」は平成18年に映画化された。

 10回目で一区切り

 しかし、大阪に俘虜収容所があったという史実は大阪市史にも大正区史にも記載されておらず、その歴史的事実は90年近くも埋もれたままだった。

 平成16年、地元の歴史を掘り起こそうと、「大正区の歴史を語る会」が調査を実施。古老の話などから収容所の存在を突き止めた。これがきっかけで、区民による第九合唱の機運が高まり、18年6月に第九合唱団が結成された。

 公募で集まった10~80代の区民約230人はドイツ語の読み方から始めた。プロのソプラノ歌手らの指導を受けながら練習を重ね、翌年2月に「第1回第九演奏会」を開催。第九を高らかに歌い上げた。

 その後、同合唱団から派生して第九以外も歌う区民合唱団「大正フロイデ」(フロイデはドイツ語で「歓喜」の意)として活動を開始。東京、上海、バチカンなどで公演してきたが、今年の第10回を節目に、第九定期演奏会の活動に区切りをつけることになった。

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