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【関西の議論】
美白よりも筋肉が大事!? 過度に日光避けると“サルコペニア”に…現代人に忍び寄る身体虚弱化の影

日焼けを気にして日光を浴びないと骨粗鬆(こつそしょう)症や「サルコペニア」になりやすくなる!? 高齢になると、筋肉量や骨密度の低下により転倒しやすくなるが、これはビタミンDの不足が大きな要因とされる。そのビタミンDは太陽の光を浴びないと生成できない。足腰が弱り外出の機会が減る高齢者ばかりでなく、「美白のため」「シミ予防に」と極端に日光を避けた生活をしている昨今の女性たちにも、その危険はあるという。美白もいいけれど、健康のためには日光を浴びないと近い将来…。(杉山みどり)
骨粗鬆症とサルコペニア発症の要因の1つはビタミンD不足 近年明らかに
「加齢に伴い、骨粗鬆症やサルコペニアのリスクが高まります」
こう説明するのは、堺市の医療法人「大泉会 介護老人保健施設だいせん」リハビリテーション科の認定理学療法士、今岡真和科長。骨粗鬆症はともかく、「サルコペニア」とは聞き慣れない単語だ。骨格筋量・筋力が減少する症候群で、ビタミンD不足が要因の1つであるという。
日本の特に要介護高齢者を対象としたサルコペニア研究の第一人者、今岡さんによると、高齢者の骨粗鬆症、サルコペニアは、ともに骨折、死亡などのリスクと関連しており、予防や改善を必要がある。先行研究の統計では、この2つ、つまり骨粗鬆症とサルコペニアを同時に有病する「オステオサルコペニア」は、何も有病していない同年齢の者と比較して4倍以上の転倒や骨折リスクがあり、「転倒による骨折を防ぐためにも、バランス能力を保つ目的で筋力や筋量の改善と骨そのものを丈夫にするためにも骨密度の維持といった複合的対策を取らねばなりません」と今岡さん。