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【理研CDBが語る】細胞の自律性の不思議に魅せられて

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【理研CDBが語る】
細胞の自律性の不思議に魅せられて

動物組織は複数種の細胞からできている(左)。酵素液でバラバラにしても(右)、立体培養すると元のパターンに戻る 動物組織は複数種の細胞からできている(左)。酵素液でバラバラにしても(右)、立体培養すると元のパターンに戻る

 私たちの体は多数の細胞が集まってできている。一つ一つの細胞を肉眼でみることはできないが、顕微鏡の下では驚くべき世界が広がっている。

 血液細胞を除き、一般の細胞は互いにくっついて組織、臓器を作る。組織の細胞は、生きたままバラバラにすることができ、透明なガラスやプラスチックの容器の中に入れて培養すると、動いたり止まったり、集まったり分散したり、社会性とも例えられる複雑な行動を見せる。

 そして、バラバラにした細胞を立体培養すると、塊となって、元の組織と同じような構造を作ってしまう。組織は多種類の細胞からなり、それぞれが区分けされ、特徴ある微細構造が形づくられるのだが、これが培養器の中で再現される。

 重要なことは、この再現が細胞の自主的活動によって起きることだ。いかなる外的情報も必要ない。いったん何らかの組織細胞に「分化」した細胞はその状態を記憶しており、バラバラにされても元の構造に戻るわけだ。

 細胞の自律性は、より複雑な現象でも見ることができる。胚性幹細胞(ES細胞)を適切な環境で培養すると、その塊から網膜や脳の一部が形成されるという理研の永樂元(もと)次(つぐ)、笹井芳樹らによる発見はその好例である。

 元となる胚性幹細胞は見かけ上、均一な集団で、個々の細胞が何になるか決まっているとは思えない。細胞間で自発的なコミュニケーションが行われ、分担が決まり、組織構造へと発生するのだろう。細胞に自律性があるからに他ならない。

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