産経WEST

【関西の議論】「阪神間モダニズム」の〝天敵〟は耐震基準 レトロ建物「解体」危機次々…独自に花開いた文化は途絶えるのか

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【関西の議論】
「阪神間モダニズム」の〝天敵〟は耐震基準 レトロ建物「解体」危機次々…独自に花開いた文化は途絶えるのか

洋風山小屋を思わせる阪神間モダニズムを象徴するような六甲山ホテル旧館。老朽化と耐震性の低さで解体の危機にさらされている(日本建築学会近畿支部提供) 洋風山小屋を思わせる阪神間モダニズムを象徴するような六甲山ホテル旧館。老朽化と耐震性の低さで解体の危機にさらされている(日本建築学会近畿支部提供)

 明治後期から昭和初期にかけて、商都・大阪と港町・神戸の間に位置する阪神地域で育まれた「阪神間モダニズム」を象徴する建物が相次いで解体の危機にさらされている。昨年12月、欧州の山小屋を思わせる六甲山ホテル旧館(神戸市灘区)が閉鎖。今後の方針は未定だが、解体される可能性は高い。昨年5月に移築が決まった宝塚ホテル本館(兵庫県宝塚市)も取り壊される予定で、アニメ映画「火垂るの墓」に登場する西宮回生病院(同県西宮市)の旧病棟はすでに解体された。いずれも阪神間モダニズムを象徴する建物だが、老朽化し、耐震性に問題が生じているためだ。安全性確保のためやむを得ないとの声がある一方で、保存して有効活用すべきとの声もある。阪神地域で戦前、独自に花開いた文化を象徴する建築物はこのままなくなってしまうのか。(桑村朋)

阪急・阪神「開発競争」の歴史

 阪神間モダニズムは明治後期から戦前の昭和初期ごろにかけて、神戸市北部に位置する六甲山や周辺地域で花開いた西洋風の建築や生活、芸術様式を指す造語だ。阪急、阪神電鉄が電車を開通させて以降、両社が競うように沿線開発を進め、六甲山麓に別荘地を購入する富裕層が急増。次第に高級住宅地が形成され、西洋文化を取り入れた生活を楽しむ独自の生活様式が阪神間に育まれていった。

 「富豪が集まり、西洋風の新たな文化や流行が生まれた阪神間は当時、日本の最先端を歩んでいた」と話すのは、阪神間モダニズムに詳しい日本建築学会近畿支部主査で京都工芸繊維大の笠原一人助教(近代建築史)。六甲山には明治36(1903)年、日本最初のゴルフ場ができ、日本初のファッション雑誌は高級住宅地で知られる兵庫県芦屋市で昭和8年に創刊した。

このニュースの写真

  • 「阪神間モダニズム」の〝天敵〟は耐震基準 レトロ建物「解体」危機次々…独自に花開いた文化は途絶えるのか
  • 「阪神間モダニズム」の〝天敵〟は耐震基準 レトロ建物「解体」危機次々…独自に花開いた文化は途絶えるのか
  • 「阪神間モダニズム」の〝天敵〟は耐震基準 レトロ建物「解体」危機次々…独自に花開いた文化は途絶えるのか

「産経WEST」のランキング