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【理研CDBが語る】昆虫から微細加工技術を学ぶ…生物の構造や仕組みを真似た素材開発への応用も

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【理研CDBが語る】
昆虫から微細加工技術を学ぶ…生物の構造や仕組みを真似た素材開発への応用も

昆虫の嗅感覚毛。表面に直径50ナノメートルの微細な穴がぶつぶつと開き、体液の流出を防ぎながら匂い物質の吸引を促す 昆虫の嗅感覚毛。表面に直径50ナノメートルの微細な穴がぶつぶつと開き、体液の流出を防ぎながら匂い物質の吸引を促す

 朝食のヨーグルトを食べていてこんなことに気づいたりしないだろうか?

 …最近のヨーグルトはふたにこびりつかないなぁ

 決してヨーグルトが進化したわけではない。一部のメーカーが表面に特殊加工を施した撥水(はっすい)性の高い素材を使うようになったのが、その原因だ。ハスの葉が顕著に水滴を弾くのをヒントに、その表面のミクロの突起構造をまねることでこの素材が誕生した。

 約40億年にも渡って地球上で進化してきた生物の体は、自然界の過酷な環境に耐えうる優れた機能構造を持っている。自然界で最適化された生物の構造や仕組みをまねることで、製品開発に役立てる研究分野をバイオミメティクス(生物模倣学)と呼ぶ。

 オナモミのとげのフックをまねた面ファスナーや、汚れ知らずのカタツムリの殻の表面をまねた外壁材など、生物の体の形をまねた素材が身の回りのいたるところで使われている。人類は最新の表面加工技術やナノテクノロジーを駆使して、生物の持つ機能構造をまねるが、果たして生物自身はその構造をどのように作り上げているのだろうか。私はこの生物独自の「ものづくり」の作法を研究している。

 研究の材料として、昆虫(ショウジョウバエ)の触角表面に生える毛の表面構造に着目している。この毛はにおいを感じとるのだが、昆虫は硬い外骨格(クチクラ)で体表を覆っているので、におい物質がクチクラを透過して体内の嗅神経細胞に到達する必要がある。

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