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大阪府当初予算案、“貯金”取り崩し過去最大710億円 29年度で残高ゼロの恐れも

大阪府は18日、平成28年度の当初予算案を発表した。一般会計総額は3兆2772億円で、過去最大だった前年度当初より114億円減った。府税収入は増加したものの、臨時財政対策債(臨財債)を含む国からの地方交付税などが減少し、一般財源は前年度から横ばいとなった。一方で社会保障関係経費などの支出が増加したため、貯金に相当する「財政調整基金(財調基金)」から過去最大の710億円を取り崩す。府の試算では今後、厳しい財政状況が続くとされ、府は改善策を検討する。
歳入では、法人2税(法人事業税、法人府民税)や個人府民税が増加。さらに「宿泊税」や「森林環境税」という新たな税源なども加え、府税収入の総額は前年度比381億円増の1兆4342億円を見込んでいる。
ただ、国が財源を手当てする臨財債を含めた地方交付税は、前年度比300億円減の見通しで、そのほかの減少分も合わせると、一般財源は前年度比1億円増にとどまった。
一方、歳出では、事業に使われる予算は減少したが、社会保障関係経費や人件費などの義務的支出が前年度比225億円増。このため、780億円の財源不足が見込まれ、財調基金の取り崩しや府債で賄う。