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大戸川治水対策、ダム建設が最も有効…建設工事凍結見直しの可能性 近畿地方整備局

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大戸川治水対策、ダム建設が最も有効…建設工事凍結見直しの可能性 近畿地方整備局

 建設工事が事実上凍結となった大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)について、国土交通省近畿地方整備局は8日、河川掘削などほかの治水対策案と比べ「ダムが最も有利」との評価を自治体側に示した。自治体側の同意が得られれば、凍結見直しにつながる可能性もある。

 滋賀、京都、大阪の3府県や大津市など4市と、同日午前に大阪市内で開いた検証会議で提示。ダム建設案に加え、河川の掘削や放水路の設置など代替策8案の検証結果を説明した。

 概算事業費で最も安かったのは、ダム建設の約3500億円。一方、代替案は約3800億~6100億円超。整備局は洪水の被害軽減効果は各案に明確な差はないが、コスト面でダム建設が有利と結論づけた。

 大戸川ダムは、国交省が治水専用ダムとして計画。しかし、ダム凍結を公約とした嘉田由紀子・滋賀県前知事ら流域4府県知事の意見を受け、平成21年に「本体工事は当面実施しない」と計画を凍結した。

 その後発足した民主党政権で事業見直しの対象となり、23年1月から3府県・4市と検証会議を実施。今後、各知事や周辺住民らの賛同を得られれば、国交相が最終判断する。

 滋賀県の三日月大造知事は検証会議で「周辺環境への影響が懸念される。着工にあたっては河川整備計画の変更が必要で、その際は改めて県の意見を聞いてほしい」と述べた。

      

 【大戸川ダム】 滋賀県南部を流れる淀川水系の大戸川に、国が計画している治水専用ダム。総貯水容量は2210万立方メートル。当初は多目的ダムとしていたが国は平成17年、水需要低下を理由にいったん建設中止を表明。19年に治水専用に変更して計画を再開した。しかし流域4府県の知事が建設中止を求める共同意見を発表し、国は21年に計画を凍結。事業見直し対象として、国交省近畿地方整備局が23年から建設の是非を検証している。総事業費約3500億円のうち、大戸川ダムにかかる費用は約1162億円。うち3割を滋賀、京都、大阪の3府県が負担する。

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