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【正木利和のスポカル】陸連の選考、世代の断層…福士の快勝劇があぶりだしたもの

 かつて五輪メダリストを育てた、ある指導者は「いまの選手は練習量が少なすぎる。指導者も選手に対して及び腰。これでは東京五輪でメダルなど取れるはずがない」となげく。

 「失われた10年」とも「20年」ともいわれる不況が、広告塔としての「女子マラソン」を育てた企業を圧迫し、選手や指導者といった「人材」に断層を生んでしまった。「国際競争力」が弱まった理由は、これにつきよう。

 以前なら、実業団チームからの勧誘もあったレベルの「ネクストヒロイン」枠の女子大生たちも、就職が決まらず競技から離れる子もあると聞く。こうした選手たちを含め、可能性のある若い層が競技を続けていける環境をいかに整えていくのか…。

 福士の快勝劇を手放しで喜んでいる場合ではないのかもしれない。日本陸上界が世界の舞台で戦える数少ない種目、女子マラソン。それを後につないでいくためにも、日本陸連は「現場」の意見に耳を傾け、薄くなった選手層に再び厚みをもたせる方策をひねり出さねばならない時期にさしかかっているように思う。

正木利和 正木利和 産経新聞文化部編集委員。大阪新聞から産経新聞社会部、運動部、部長を経て現職。運動部歴25年目となった一昨々年の秋、念願かなって美術担当に。好きなものは以下の通り。富岡鉄斎の絵、ジャランスリワヤの靴、よく墨のおりる端渓硯(たんけいけん)、勇敢なボクサー、寡黙な長距離走者、「水曜どうでしょう」について語り合うこと。当コラムは、スポーツの話題にときどきカルチャーを織り交ぜて、「スポカル」。以後、おみしりおきを。

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