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【正木利和のスポカル】陸連の選考、世代の断層…福士の快勝劇があぶりだしたもの

 先日、大阪国際女子マラソンをテーマに、といわれ、1月26日付の産経新聞の夕刊コラム「西論」を書いた。そのなかの、最後の「救世主よ、出でよ」の一文は、レース前の偽らざる思いだった。

 もちろん、みなさんご存じの通り、レースは福士加代子(ワコール)が日本陸上競技連盟の設定した選考基準タイム2時間22分30秒を切って優勝を果たし、残り2枚となったことしのリオデジャネイロ五輪キップに大きく近付いた。

 「やっと取ったよ、1等賞」

 「リオ決定だべ」

 と、試合後にはしゃいだ福士はもちろんだろうが、低迷してきた女子マラソン界にあって、長く「エース候補」とされてきた福士が「真のエース」として名乗りをあげたことは、福士自身に負けず劣らず、日本陸連幹部も胸をなでおろしたはずだった。

 事実、レース後に選手村で行われた表彰式・さよならパーティーでの日本陸連の横川浩会長のあいさつは、それを物語っている。

 「きっとあすの新聞の一部には、『内定』と書くところもあるとは思いますが、わたしはそれを黙認します」

 いわば「約束手形」のようなものだ。

 そして、「わたしもうれしい!」と、力強い喜びの言葉で締めたのである。

 ところが、この数時間前の、レース直後の日本陸連幹部の会見では、福士の処遇は最終選考レースの名古屋終了後までお預け、ということにされた。

 確かに、名古屋でふたり以上の選手が2時間22分以内で走る可能性もまったくないわけではない。

 それゆえ、「内定」の「言質」がとれなかった大阪のヒロイン・福士は、再び3月の名古屋にエントリー、ということになった。

   □    □

2020年の東京五輪で日本は「惨敗」する恐れ

 福士は3000メートル、5000メートルとハーフマラソンの日本記録をもち、五輪も2004年のアテネから3大会続けて出場しているトラックのスピードランナーだ。マラソンでも08年の北京五輪の選考で大阪に出場して以来、度重なる失敗を乗り越えて、日本を代表する走者へと成長してきた。13年にはモスクワ世界陸上で銅メダルを獲得するなど、トラックで裏打ちされたスピードと実績から、もはや文句なしに日本のエース、と呼べる存在だ。

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