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【世界を読む】欧米で消える「男の子」「女の子」玩具…性別撤廃社会とリアルな市場で揺れる業界

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【世界を読む】
欧米で消える「男の子」「女の子」玩具…性別撤廃社会とリアルな市場で揺れる業界

 レゴは2012年、美容院やペットショップなどを組み立てる女の子向けの「レゴ・フレンズ」シリーズを発売した。女の子の行動パターンを何年もかけて人類学的に調査した結果を商品開発に投影し、ピンクや紫など淡い色とともに曲線的なブロックを多用した。

 男の子の向けのイメージが強く、レゴで遊ぶ女の子は全体の1割以下と低迷。「女児市場」の開拓は以前から、同社の悲願だったのだ。

 ところが発売早々、米国の活動団体「スパーク・ムーブメント」などが「女性についての固定観念を定着させるものだ」などと厳しく批判。同団体はインターネット上で5万人以上の署名を集め、会社幹部とも面会して是正を求めた。

 レゴはシリーズに動物病院や発明工房を加えるなどしたが、ピンクの多用など大枠は変更せず発売を続けた。結果、同シリーズの売り上げは毎年20%の伸びを記録し、同社が「バービー人形」の米マテルを抜いて世界最大の玩具メーカーに飛躍する大きな力となった。

「性的中立性」には取り組むが

 米ウォールストリート・ジャーナルによるとスパーク・ムーブメントの代表は「レゴが発信しているメッセージは、男の子たちが飛行機や高層ビルを組み立てているあいだ、女の子たちはヘアドライヤーで遊んでいればいいというものだ」と手厳しいが、多くの消費者は「女の子向け」に好感を持って購入したといえる。

 ワシントン・ポストは、企業としての営利追求と社会的イメージとの板挟みとなっている企業の苦悩を指摘。玩具業界関係者の、こういう声を紹介した。

 「玩具メーカーは今後も性的中立性の雰囲気づくりに取り組む一方で、明確な男女別の商品開発も続けるだろう。なぜならそこに市場があるからだ」

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