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【西論】阪神大震災21年 “1・17”教訓の継承「未災者」が主役に

 冬の夜。大阪の街角は、どの季節よりもカラフルな装いをみせる。御堂筋、中之島、天王寺公園…、どこも趣向を凝らした光のオブジェが並ぶ。平成25(2013)年から始まった、大阪の観光名所をアピールする「大阪・光の饗宴(きょうえん)」。前年度は総計約886万人が訪れたといい、冬の風物詩になりつつある。

 近年、こうした光のイベントが全国各地で開かれている。その多くが冬である。なぜなのか。いてつく寒さを少し和らげ、気持ちをホッとさせる。そんな力が光にはあるからだろう。

趣旨から消えた「復興」

 そのはしりともいえるのが、この冬で21回目を迎えた神戸ルミナリエだ。阪神大震災のあった平成7(1995)年の12月、6千人を超える犠牲者の鎮魂と追悼、そして復興を祈念して始まった。

 当初の数年間は“光の回廊”がライトアップされた瞬間、大きな歓声が上がるなか、手を合わせて涙する人の姿を、会場のあちらこちらで見かけた。もちろん、ほとんどの人は笑顔で楽しんでいるのだが、どこか「巡礼」を思い起こさせる光景だった。

 今回、神戸ルミナリエの開催趣旨が変更されたことが話題になった。これまで「犠牲者への鎮魂」とともに打ち出されていた「都市の復興」の文字が消えたからだ。

 確かに、震災20年の節目だった昨年と比べ、さまざまな“変化”が生まれている。この日曜日に21回目の「1・17」を迎えるが、昨年は過去最高となった市民による追悼行事などが今年は激減した。また、実施はしても規模を縮小する動きが目立っている。戸惑いの声が上がっているのも事実だ。

 被災地がすべて復興したかといえば、まだ不十分な部分も少なからずあるだろう。ただ街から震災の“傷痕”が消えて久しく、全体をみれば、復興とは別のステージを迎えているといって過言ではない。そう考えれば、変化は必然かもしれない。

 しかし、それは、震災を“過去の出来事”にしていいということでは、決してない。

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