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【デビッド・ボウイ死去】日本を愛し、日本人に愛されたはかなげなロック・スター

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【デビッド・ボウイ死去】
日本を愛し、日本人に愛されたはかなげなロック・スター

 音楽でロックが文化的にも商業的にも大きな影響力を持ち始めた1970年代にはさまざまなロックスターが登場した。なかでも最も華があり、約半世紀にわたって派手な話題を提供し続けたのが、デビッド・ボウイさんだった。

 代表作「ジギー・スターダスト」(72年)で女性のような妖艶な化粧でハードロックを披露する宇宙からやってきた両性具有のグラムロッカーを演じたかと思えば、スーツにネクタイ姿でしゃれたソウル音楽やディスコサウンドを披露。耽美的な前衛サウンドにも挑戦した。

 「音楽のスタイルをまるで洋服のように変え、自己を化身させようと考えたポップな役者」(米誌ローリング・ストーン)として、音楽性やサウンドを時代に合わせて大胆に変革し続けた。ライブでは演劇やパントマイムの要素も取り入れ、ロック音楽に高い芸術性を持ち込み、唯一無二の存在感を打ち出した。

 それを可能にしたのが日本や東洋文化への強い憧れだった。常に謎めいた危うさやはかなさ。京都を愛し、ファンの間では長い間「別宅がある」とさえ噂されてきた。日本を代表するファッションデザイナー、山本寛斎(かんさい)さんのステージ衣装も好んで着た。

 昭和55(1980)年には宝酒造(本社・京都市)の宝焼酎「純」のテレビCMに登場。BGMは自作のインストゥルメンタル曲「クリスタル・ジャパン」。商品は爆発的にヒットした。日本を愛し、日本人に愛されたロックスターだった。   (岡田敏一)

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