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安来節「どじょうすくい」30年ぶりに「踊」の名人誕生

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安来節「どじょうすくい」30年ぶりに「踊」の名人誕生

安来節の「踊」の名人に認定された一宇川勤さん(中央)。「鼓」の名人となった矢倉哲郎さん(左)とともにステージを務めた

 「どじょうすくい」の踊りで知られる島根県東部の民謡・安来節に、「踊(おどり)」の部の名人が30年ぶりに誕生。同県安来市の安来節演芸館で10日に開かれた唄い初め会で、一宇川(いちうがわ)勤さん(67)=同市古川町=が昇格の免状を受け取り、名人芸を披露した。

 安来節は江戸時代中頃に生まれたとされ、振興を図る安来節保存会が、唄▽絃(げん、三味線)▽鼓▽踊▽銭太鼓-の5部門で級・段位や師範など計11の階級を設けている。その最高位に当たる「名人」は、技量だけでなく、普及の貢献度や人格などを踏まえて認定され、現在6人。踊部門は、昭和61年に1人認定されたが引退し、不在だった。

どじょうすくいは「パントマイム」

 一宇川さんは33歳のころ、友人に誘われて安来節を習い始め、ユーモラスな踊りの魅力にはまって30年以上続けてきた。現在は製菓業を営む一方で体験道場を開き、後輩の指導にも当たっている。

 「どじょうすくいはパントマイム。『おもしろい』『あはは…』だけで終わらず『なるほど』と思ってもらえる踊りを見せたい」と一宇川さん。この日の唄い初め会で、「鼓」の名人となった矢倉哲郎さん(71)=鳥取県米子市大崎=とともに昇格者披露の舞台を務め、会場を沸かせた。

 安来節保存会は「唄や絃に比べて踊は担い手が少ない上、見た目以上にハードで体力が必要なため、名人にたどりつくまでに辞めるケースがほとんど。キレのある踊りで、後輩たちを引っ張ってほしい」と、久々の名人誕生を喜んでいる。

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