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【亀岡典子の恋する伝芸】歌舞伎“二枚目の系譜” 22歳にして男の色気漂わす「中村隼人」のイケメンぶりにうっとり

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【亀岡典子の恋する伝芸】
歌舞伎“二枚目の系譜” 22歳にして男の色気漂わす「中村隼人」のイケメンぶりにうっとり

インタビューに答える中村隼人(宮川浩和撮影)

生来の美貌+演技の力

 人には誰でも、「うっとりしたい」という願望があるように思う。

 歌舞伎の舞台を見るとき、この世の者でないほどの圧倒的な美に出合って、陶然としてしまうことがしばしばある。

 女形でいえば、やはり坂東玉三郎さんの舞台であろう。「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」で、玉三郎さんふんする傾城(けいせい)八ツ橋が、田舎商人の佐野次郎左衛門を見て、ふっと笑ったその顔は、男性だけでなく、その場にいた誰をも一瞬で虜にするものであった。

 立役では、片岡仁左衛門さんに胸をときめかせた。「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」で、かつての恋人、お富の家の玄関前で、下を向いて、石ころを足で蹴りながら待っている風情のよさといったらない。生来の美貌に加え、演技の力のなせる技。これぞ、歌舞伎を見る醍醐味である。

 歌舞伎には“二枚目の系譜”というのがあって、たとえば、戦前なら、老年になっても前髪の若衆が似合った十五世市村羽左衛門(うざえもん)が筆頭にあげられるだろう。戦後だと、いまの市川海老蔵さんの祖父にあたる十一世市川團十郎の美しさも、もはや伝説となった。現代では、やはり前述の仁左衛門さん。水も滴る二枚目といえよう。仁左衛門さんが悪人を演じたときなど、その悪の華の魅力に、ゾクゾクするほどである。

次々と大役に抜擢 この半年でぐんと成長

 では、いまの若手では、いったい誰がこの系譜に連なるのか。さまざまなご意見もあろうが、うんと若いところでは、私は中村隼人さんではないかと思っている。

 昨夏、初めて取材する機会を得た。舞台姿を見て、二枚目なのは知っていたが、素顔もさわやかな超イケメン。22歳なのに、すでにもう男の色気がにじみ出ているではないか。

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