産経WEST

【銀幕裏の声】エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【銀幕裏の声】
エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)

エルトゥールル号の生存者をトルコへ送り届けた日本海軍の「比叡」。秋山真之も乗艦していた(明治23年頃、齋藤義朗さん提供)

 日本とトルコ友好125周年の“礎”となったエルトゥールル号遭難事件をテーマにした映画「海難 1890」が公開中だ。当初の計画では、オスマン帝国のコンスタンチノープル(現イスタンブール)を出航したエルトゥールル号は6カ月後に日本に到着する予定だったという。「では実際にかかった航海期間はどれくらいだったでしょうか?」。こう質問するのは海事史・海軍史研究家で長崎県文化振興課の主任学芸員、齋藤義朗さん。平成22年夏、東京の「船の科学館」で、日本・トルコ友好120周年を記念し開催された企画展「海が結んだ日本とトルコ 軍艦“エルトゥールル”の遭難事故から」の企画・準備に携わった当時の同館学芸係長だ。「6カ月の航行予定が現実には11カ月もかかったんですよ」と答えを明かす齋藤さんにエルトゥールル号にまつわる“航海秘話”を聞いた。(戸津井康之)

日本海軍との交流

 11カ月間を費やしてようやく日本にたどり着いたエルトゥールル号は、帰国を急いだために、横浜を出港直後、和歌山県串本沖で台風に遭遇、座礁して沈没した。乗員は海に投げ出されるなどし、約600人が亡くなり、地元住民の命懸けの救助活動により、69人が一命をとりとめた。

 生存者はしばらく日本にとどまり休養し、体調の回復を待って日本を出発、トルコへ帰還する。

 前回、海軍史・海戦史に詳しい海上自衛隊二等海佐、倉谷昌伺さんが説明してくれたように、日本海軍の軍艦「比叡」と「金剛」の2隻で救助者69人をトルコへ送り届けることになった。

 トルコから日本までの航海は約11カ月間かかっているが、「さて、この送還のときの日本からトルコまでの航海期間はどれくらいだったでしょうか?」と斎藤さんが次の質問を出した。

 「答えは80日間だったんですよ」

このニュースの写真

  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)
  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)
  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)
  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)
  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)
  • エルトゥールル号遭難事故と「坂の上の雲」の意外な接点 「海難 1890」の真実(中)

「産経WEST」のランキング