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【理研CDBが語る】〝物語〟を子孫に正しく伝達する生殖細胞 その驚異の仕組み

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【理研CDBが語る】
〝物語〟を子孫に正しく伝達する生殖細胞 その驚異の仕組み

マウスの卵子。減数分裂により新しい染色体セットを得て、精子の受精を待つ。新しい物語はもうじき幕を開ける

 生殖細胞が行っていることもこれと同じだ。細胞には手があり、ひもを持ち、はさみも持っている、と言うと奇妙に聞こえるだろうか。だが、実際に細胞は「微小管」という手で染色体を動かし、「コヒーシン」というひもで染色体を束にし、「セパレース」というはさみでコヒーシンを切る。だからこそ、卵子や精子に正しく遺伝情報を収めることができる。

 問題は、この減数分裂では、母体年齢とともに染色体数異常の頻度が上昇していくことだ。

 卵子の老化の重大側面のひとつである。その原因は、老化とともに細胞が使う道具が変質していくためだろう。手の力が弱くなるのか、ひもが緩くなるのか、はさみが切れにくくなるのか。まずはその答えを明確に知りたい。

                      

 北島智也(きたじま・ともや) 東京大大学院修了。在学中より減数分裂を研究し、染色体接着を保護するタンパク質「シュゴシン」を発見。博士取得後、ドイツ・ハイデルベルクEMBLでマウス卵母細胞の減数分裂における染色体の動きを解析し、染色体の完全な4次元地図を作る。平成24年より理研CDB・染色体分配研究チームリーダー。年子の男児2人に趣味の時間を奪われる。36歳。

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