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【理研CDBが語る】空気を読む神経幹細胞…適切な時期・場所に、適切な種類・数の神経細胞を産生

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【理研CDBが語る】
空気を読む神経幹細胞…適切な時期・場所に、適切な種類・数の神経細胞を産生

マウス脳表面の大脳皮質。単なる多くの神経細胞の寄せ集めではなく、非常に精緻な層構造をつくっている

 もし神経幹細胞が供給する神経細胞の種類や数、時期を間違えると、正しい神経回路を作れなくなってしまう。

 このような胎児期にできる異常な神経回路は精神疾患発症原因の1つの可能性としても考えられている。神経幹細胞が用いている柔軟な仕組みは、多少のミスにも対応して神経細胞の種類と数の帳尻を合わせることができる非常に賢いものである。

 今後は、神経幹細胞が自分の置かれた状況を知る仕組みの詳細を明らかにすることで、精神疾患発症原因の理解と治療法の発見に貢献し、また、生物が用いている賢くシンプルな戦略に驚きと斬新さを感じながら研究を進めていきたい。

    

 當麻憲一(とうま・けんいち) 平成22年より理研CDB大脳皮質発生研究チームに所属。26年に博士号取得。ES細胞(胚性幹細胞)から神経幹細胞に対象を変えつつ、一貫して発生において幹細胞が自分の運命を決める仕組みについて研究を進めている。生物の精巧な仕組みに日々魅了され、それを理解し操作したいと思っている。マイブームはダイエットとジム通い。

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