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【衝撃事件の核心】血ヘドはく「老老介護」破綻 鬼の形相で「殺せ!」と叫ぶ認知症母を殺害 長男は「ごめんな、ごめんな」と謝り続けた

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【衝撃事件の核心】
血ヘドはく「老老介護」破綻 鬼の形相で「殺せ!」と叫ぶ認知症母を殺害 長男は「ごめんな、ごめんな」と謝り続けた

認知症を患い、鬼の形相で「殺せ!」と叫ぶ92歳の母の胸に、71歳の長男は小刀を突き刺して殺害した。貧困の末の「老老介護」はもろくも破綻した 認知症を患い、鬼の形相で「殺せ!」と叫ぶ92歳の母の胸に、71歳の長男は小刀を突き刺して殺害した。貧困の末の「老老介護」はもろくも破綻した

 ただ「母の面倒を見ながら、仕事もしないといけない。外から見ている以上に大変なつらさ、しんどさ、苦労があったんだろうと思う」(デイサービス施設の男性職員)と、周囲は長男にかかる負担の大きさを心配し、施設への入所を勧めたこともあった。

 それでも長男は「施設に入れるのはかわいそうだ」と首を縦にふらなかった。「もう少し頑張ってみたい」と話す姿に、母親への深い愛情を感じたという。

貧困、預金差し押さえ

 だが、そんな悲壮な決意とは裏腹に、介護生活は長男の心身を着実に追い込んでいた。

 まずは経済的な問題があった。貯金は徐々になくなり20万~30万円に。詳しい理由は分からないが、長男は自分の年金ももらっていなかったようだ。

 当時の収入は月約10万円のバイト代と2カ月間で約11万円の母親の年金。1カ月あたり15万円程度の収入では「食費や介護費で毎月ほとんど残らない状況だった」という。

 さらに、今年に入って体調が悪くなり、事件前の6月には腹痛のためにバイトも辞めざるを得なかった。

 自宅と倉庫の固定資産税(年間約6万7千円)も数年間にわたり滞納、わずかな預金も差し押さえられた。自宅売却も考えたが、母親の反対などもあり、結局うまくいかなかった。

「鬼」から優しい母の顔に

 貧困と出口の見えない介護生活。そして自身の体調悪化。「殺せ」と叫ぶ母の姿を前に覚悟が決まった。「もう生きていても仕方ない。母を殺して自分も死のう」

 長男は玄関のげた箱から繰り小刀(刃渡り約13センチ)を持ち出し、居間でいすに座っていた母親の前に立ちはだかった。

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