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【理研CDBが語る】昆虫にも存在するインスリン 生命や進化の謎を解く手掛かりにも

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【理研CDBが語る】
昆虫にも存在するインスリン 生命や進化の謎を解く手掛かりにも

インスリンを欠損したショウジョウバエ(右)。代謝と成長に異常をきたし、正常(左)と比べて体が劇的に小さくなる

 われわれの生命活動を根底から支えるエネルギー代謝や成長を調節する必須のホルモン「インスリン」。1921年にフレデリック・バンティングらによって発見されたインスリンは、翌年には糖尿病患者に治療薬として投与され、その後現在に至るまで数えきれないほど多くの命を救っている。バンティングらが発見からわずか2年後にノーベル賞を受賞したことからも、この発見がいかに偉大なものであるかがわかるだろう。

 この誰もが名前を聞いたことのあるホルモン、インスリン。しかしながら、インスリンが、われわれヒトだけではなく昆虫にも存在すると言うと驚く人は多いだろう。昆虫のインスリンは、名古屋大学の石崎宏矩教授らが進めていた、カイコガの脳ホルモン探求の過程で1982年に発見された。私が生まれた年である。全く違うように見えるヒトと昆虫に共通のホルモンが存在することを示したこの発見は、世間を大きく驚かせた。

 近年、昆虫のインスリンも、ヒトと同様に代謝や成長を調節していることが明らかになってきた。しかも、その調節の仕組みが進化的に遠く離れたヒトと昆虫間で良く保存されているのだ。昆虫のインスリンの研究を通して、ヒトでもわかっていなかった謎が次々に解明され、現在ではその知見が医療にも応用されつつある。ちょうど私が生まれた年に発見された昆虫のインスリンは、30年以上のさなぎ期を経て大きく羽ばたいている。

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