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【大阪の中のアジア】ジャパンマネーを夢見て来日するも現実は…フィリピン人親子の無理心中をきっかけに誕生した自助組織

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【大阪の中のアジア】
ジャパンマネーを夢見て来日するも現実は…フィリピン人親子の無理心中をきっかけに誕生した自助組織

ダンスの練習に集まったコミュニティーメンバー(前列右が平松マリアさん)=大阪市中央区(竹川禎一郎撮影)

 「結局、連絡はありませんでした。夜の仕事をしながら小さな子供を育て、祖国の親元にも仕送りしないといけないと頑張っていた。心身とも疲れたのかもしれません」

 訪日フィリピン人が増え始めたのは、バブル景気にわく昭和60年代以降。「興行」という在留資格を取得し、フィリピンパブなどで働くダンサーらが入国。多いときで年間約8万人のフィリピン人が興行ビザで来日していた。

 マリアさんも平成元(1989)年にダンサーとして日本へ来た。

 「帰ってきた人たちが次々と立派な家を建てるのを見て、日本への憧れと夢を膨らませました」。だが現実は6畳の部屋に4人で住まわされ、1カ月の給料は搾取されて300ドル(当時約4万円)だった。

 その後、日本人男性と結婚し2人の子供に恵まれたが、夫の暴力が原因で離婚した。「自分の経験を生かしたい」と、日本語の勉強会などを主宰するかたわら、「サウスイーストアジアコミュニティ協会」のスタッフとしても奔走している。 

 「本当につらい思いをしている人はなかなかコミュニティーに出てこない。自分一人で悩みを抱え込まないでほしい」とマリアさん。そんな思いが仲間たちを勇気づけている。(上岡由美)

 祖国を離れ、日本で生活する外国人やそのコミュニティーを紹介します。

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