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【大阪の中のアジア】ジャパンマネーを夢見て来日するも現実は…フィリピン人親子の無理心中をきっかけに誕生した自助組織

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【大阪の中のアジア】
ジャパンマネーを夢見て来日するも現実は…フィリピン人親子の無理心中をきっかけに誕生した自助組織

ダンスの練習に集まったコミュニティーメンバー(前列右が平松マリアさん)=大阪市中央区(竹川禎一郎撮影)

 日曜日の教室に哀愁を帯びたメロディーが流れている。曲名は、タガログ語で子供を意味する「ANAK(アナク)」。フィリピンで作曲され、70年代に日本でもカバー曲が大ヒットした「息子よ」だ。

 大阪市中央区の市立南小学校で11月上旬に開かれた日本人とフィリピン人の交流会。同小学校は、児童約200人のうち約2割がフィリピン国籍の親を持つといい、言葉の壁などで悩む児童もいる。そんなフィリピン人たちを支援するのが自助組織「サウスイーストアジアコミュニティ協会」だ。

 発起人の一人でフィリピン人の平松マリアさん(45)は「中央区にはフィリピン国籍者が約500人暮らしていますが、仕事が夜間だったり、日本語が不自由だったりして地域住民との交流は希薄になりがち。孤立するケースもあり、助け合う仕組みが必要だった」と語る。

 マリアさんには忘れられない事件がある。平成24年、大阪・ミナミでフィリピン人の母親(当時29歳)が長男(同6歳)と長女(同4歳)を道連れにした無理心中だった。

 マリアさんは、事件前にこの女性から「日本の生活がしんどい」と相談を受けていた。外国籍の住民を支援する「NPO法人チャーム」(大阪市北区)に所属するマリアさんは、大阪市内の託児所で開いた相談会で彼女と出会い、電話番号を伝えていた。

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