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【出前講義@関学大】勇気ある「正論」を主張したい 論説委員・鹿間孝一の講義要旨

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【出前講義@関学大】
勇気ある「正論」を主張したい 論説委員・鹿間孝一の講義要旨

社説のあり方について解説した産経新聞の鹿間孝一論説委員=27日、兵庫県西宮市の関西学院大学 社説のあり方について解説した産経新聞の鹿間孝一論説委員=27日、兵庫県西宮市の関西学院大学

 以前は「新聞はどれも同じだ」と言われた。現在でも、そう思っている人が少なくないようだ。が、読み比べてもらうと違いがわかる。

 とくに社説(産経新聞は主張)には、それぞれの新聞のカラーが出る。産経新聞の読者の皆さんは、朝刊オピニオン面に掲載している「社説検証」でおわかりのはずだ。

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 かつて「大(おお)新聞」と「小(こ)新聞」という分類があった。部数の大小ではない。大新聞は独自の論調を売り物にする、欧米で言うところのクオリティーペーパーである。

 徳富蘇峰(1863~1957年)が創刊した「国民新聞」は、日露戦争の講和条約に日本中が不満を募らせる中、講和賛成の論陣を張り、暴徒によって焼き討ちされた。当時の日本の国力から、もはや戦争の継続は困難と判断し、世論に抗しても筆を曲げなかった。

 昭和の初めには桐生悠々(1873~1941年)という反骨の新聞人がいた。信濃毎日新聞の主筆として、昭和8(1933)年8月11日付の社説で「関東防空大演習を嗤(わら)う」と書いた。

 首都圏を中心に関東一円で行われた防空演習を「敵機を帝都の空に迎へ撃つといふことは、我軍の敗北そのものである」「従ってかかる架空的な演習を行っても、実際には、さほど役立たないだろう」と喝破した。が、当然ながら軍部の怒りを買い、罷免要求や不買運動もあって退社を余儀なくされた。

 どちらも正論であったことは、その後の歴史が証明している。

 最近では集団的自衛権を容認した安全保障関連法制をめぐって各社の論調が分かれた。産経、読売は賛成、朝日、毎日は反対した。沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設や原発の再稼働でも同様の構図である。新聞相互で批判しあうことも珍しくなくなった。

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 主張(社説)は言うまでもなく、記者個人の意見ではない。産経新聞では毎朝、論説委員室の会議でテーマを決め、どのように書くかを話し合っている。このほか週1回、全社的な社論会議を開いて、広く意見を聞く。

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