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【ニュース解説】「カジノ」は介護施設で許されるか どうする依存症…競争激化、バランス議論を

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【ニュース解説】
「カジノ」は介護施設で許されるか どうする依存症…競争激化、バランス議論を

カジノ型デイサービス施設を規制する動きを受け、杏の里の倉庫に片づけられたままになっているカジノの衣装や道具=兵庫県姫路市広畑区

 神戸市と兵庫県が今秋、相次いでカジノやパチンコ、マージャンなどの設備を備えた高齢者向けの「アミューズメント型」「カジノ型」と呼ばれる介護事業所を規制する改正条例を制定した。射幸心をそそるサービスは、ギャンブル依存につながりかねず、税金が投入される介護保険施設にそぐわないという疑問の声が上がったためだ。この種の介護事業所は、関東を中心に広がっているが、新設の動きを察知した行政が先手を打って「待った」をかけた形で、全国初の取り組みとして注目されている。

 神戸市議会は9月、全国で初めてパチンコ、マージャン、ルーレットなどの遊技を、介護予防の主な事業として提供するデイサービス施設を規制する条例改正案を全会一致で可決した。

 兵庫県議会も10月、条例改正案を可決。デイサービス施設のほか、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設も規制の対象で、射幸心をそそったり依存性が強くなったりする恐れのある遊技を、日常生活を逸脱して利用者に提供しない▽射幸心をあおり依存性を強める疑似通貨を使用しない-などとしている。改善指導に従わない場合は介護保険法に基づき、介護事業所の指定の取り消しも含め、厳しい態度で臨むという。

 「カジノ型」介護施設が広がる背景には、施設間の利用者獲得競争の激化がある。厚生労働省によると、平成24年度の通所介護施設の利用者は約160万人と13年度の約2・5倍、少ない設備投資で開設できるデイサービス施設は約3万6千カ所(24年度)と13年度の3倍以上それぞれ急増している。

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