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老いとたたかうゾウのドキュメンタリー「天王寺おばあちゃんゾウ 春子最後の夏」が映画化。大阪のゾウの物語-21日からシネ・リーブル梅田などで公開

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老いとたたかうゾウのドキュメンタリー「天王寺おばあちゃんゾウ 春子最後の夏」が映画化。大阪のゾウの物語-21日からシネ・リーブル梅田などで公開

春子と西村さん(映画「天王寺おばあちゃんゾウ 春子最後の夏」から)

 「春さん、ありがとう」。老いと闘いながら最後まで来園者の前に立ち続けた天王寺動物園(大阪市天王寺区)のアジアゾウ・春子の晩年を追った映画「天王寺おばあちゃんゾウ春子最後の夏」が、21日からシネ・リーブル梅田などで公開される。テレビ大阪が制作したドキュメンタリー番組を映画化したもので、春子が最期を迎えるまで寄り添った飼育員との365日が今、スクリーンによみがえる。(上岡由美)

 昨年夏、推定66歳でこの世を去った春子は国内2番目の高齢で、人間でいえば90歳近いおばあちゃん。

 戦後間もない昭和25年4月、2歳ぐらいでタイからやってきた。戦争からの復興をめざす大阪の街は春子の来園に大いに沸いた。最初の日曜日には6万人以上が押し寄せ、ゾウ舎の周りは鈴なりの人であふれたという。以来、60年以上も大阪の人々に愛されてきた。

 当時の映像を見たテレビ大阪報道部プロデューサーの人見剛史さん(45)が、戦後の大阪をずっと見つめてきた春子の番組を作ろうと、平成25年4月から取材開始。同年9月と翌年9月に放送した番組が大きな反響を呼び、映画化が決まった。

 映画は、春子と最後の夏をともに過ごした飼育員らに密着。150時間撮影した映像を99分にまとめた。

 足の衰えが進み、自立するのさえ難しくなった春子が昨年7月30日、ついに倒れる。ゾウは長時間横になると、自分の重さで肺が圧迫されるため、春子を起こそうとクレーンを使った懸命の作業が続いた。春子も立ち上がろうともがくが、床に足が滑って立ち上がれない。苦しそうな春子の様子を前に、飼育員の表情からは「春さんを助けたい」「これ以上苦しめたくない」という葛藤が伝わってくる。

 その状況を見るに見かねたのか、春子を担当して11年になる飼育員の西村慶太さん(47)が声を絞り出した。

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