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狂犬病におびえる住民 中国・上海のペット事情が深刻化 「信用情報」に“傷”のペナルティーも

ペットを飼う家庭が増える一方で、飼い主のマナーが向上しないことが問題になっている中国・上海市が、ペットの迷惑行為の罰則として、飼い主の「信用情報システムに組み込む」との方針を示した。中国メディアが伝えた。このシステムには個人の信用情報が登録され、就職、昇進、ローン編成時などに影響を及ぼすとされており、ペット飼育に関する違反があれば信用度が下がるようにするという。上海では1世帯につき犬については1匹までというペットの「一人っ子政策」もあるというが、中国ではペットをめぐるモラル欠如も深刻化しているようだ。
導入には賛否両論
中国メディアの新浪網、法制日報などの報道によると、上海市が、ペットによる近隣住民への迷惑行為が問題になっているとして、個人の信用情報に組み込むとの方針を示した。不道徳な行為をした場合は、市民の信用に影響を与える可能性があるとしている。
市に寄せられるクレームのうち、ペットの迷惑行為に関するものが最も多くなっていること、現行法に違反する行為があっても罰則が厳しくないため効果が上がっていないこと、などが背景にあるという。
信用情報に組み込むというのは、社会的信用を失わせることをペットによる迷惑行為の代償にしようという試みだ。ただ、どんな行為が罰則の対象になる迷惑行為にあたるのか、という具体的なラインの設定や、整備する信用情報をどう活用するのか、といった管理方法など導入への課題はまだ多い。