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【大阪ダブル選・密着ルポ】
吉村洋文(40)大阪維新の会公認 市民、議会の声聞き「師・橋下」乗り越える

「私が乗り越えるべきもの、それは橋下徹市長です。橋下市長で止まっていた改革も、実現させる」
力を込めた一言に、約300人の聴衆で埋まった演説会の会場は、どよめきの後、割れんばかりの拍手に包まれた。
越えるべき壁は、対立候補の柳本顕氏(41)らではなく、大阪政界の中心にいた「政治の師」-。並々ならぬ覚悟は大阪市長選告示の2日前、ひとり悩んだ末に思い至ったという。
大阪府立生野高時代の3年間、ラグビーに打ち込んだ。ポジションは俊足を生かしボールを持って走り続ける左ウイング。橋下氏と同じだ。その体力は、長い選挙戦でも発揮され「細身でも頑丈」と周囲は驚く。
だが、力強さだけで橋下氏を越えられるとは思っていない。「一人一人とスキンシップし意見を直接聞くのが自分らしさ」と、弁護士から政界に飛び込んだ頃からの原点を思い返す。
自宅近くの演説には3人の子供たちも駆けつけた。父の顔写真を両面にはった手作りの応援うちわを手に、6歳の長男は「お父さん、かっこいいね!」と声をかけてくれたという。自宅を出る早朝、子供たちの寝顔に「この世代のために元気な大阪を作らなければ」と改めて誓う。
知名度がネックだったが記念撮影を求められる機会も増えた。「橋下さんができんかったこと、やってね!」。女性の声援にファイティングポーズを見せ「大阪、引っ張っていきます」と笑顔を見せた。