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【関西の議論】“不老不死”の実「ムベ」 古代から皇室に献上された“伝説の果実”求め全国から人が絶えず…

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【関西の議論】
“不老不死”の実「ムベ」 古代から皇室に献上された“伝説の果実”求め全国から人が絶えず…

食べると長生きすると言われるムベの実

延喜式に皇室献上の記録

 以来、毎年秋になると同町の住民から皇室にムベが献上されるようになったとされる。平安時代に編纂(へんさん)された法令集「延喜式」31巻には、諸国からの供え物を紹介した「宮内省諸国例貢御贄(れいくみにえ)」の段に、近江国からフナ、マスなどの琵琶湖の魚とともに、ムベが献上されていたという記録が残っている。

 ムベの献上は戦後も続いたが、献上の担い手だった同町の商家で跡取りがいなくなり、昭和57年にいったん途絶えた。

 その後、同町の大嶋奥津嶋神社に生まれ、父親から天智天皇の話を聞かされて育った同神社宮司で当時、近江八幡市職員だった深井武臣さん(73)が、「地域の伝統である皇室への献上を復活させ、ムベを町のシンボルにしよう」と計画。同町で農家を営む前出幸久さん(80)や同神社の氏子らに協力を呼びかけて町内でムベを育て、平成14年、約20年ぶりに献上を復活させた。

 それ以後、毎年10月下旬になると、深井さんや神職らがムベ約15個を特別製の竹籠に詰めてヒノキの箱「行器(ほかい)」に収め、皇室のほか、天智天皇を祭る近江神宮(大津市)、地域の戦没者も祭られている靖国神社(東京都千代田区)にそれぞれ献上している。

 深井さんは「皇室や神様にムベを献上できるのは地元の誇り。せっかく復活させたのだから、絶えることなく続けていきたい」と話す。

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