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【西論】戦没者遺骨収集 戦友を家族の元へ…国は責務果たせ

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【西論】
戦没者遺骨収集 戦友を家族の元へ…国は責務果たせ

「丸山道」奥地のコロブブ地区で、骨片とともに発見された眼鏡と万年筆=ソロモン諸島ガダルカナル島(甘利慈撮影)

 平成22年度、事業が前進した。民主党政権が硫黄島での事業強化を表明。方針は自民党政権にも引き継がれ、安倍晋三首相は「国の責務」として同島以外でも強化する意向を示した。ただ、遺骨収集を「国の責務」と位置づけて強化するための法案は、先の通常国会で継続審議となった。

 安保法制審議が優先されたとはいえ、昨秋以降、提出が延長され続けた上での結果に、関係者の落胆は大きい。さらに法案は「国の指定法人を設け10年間にわたり収集を強化する」という内容だが、実効性が不透明な部分もある。

また米国の物量に敗北

 一方、米国は「戦死者との約束」として、政府の専門機関が同胞の遺骨を収容している。ガ島でも米国側は活動を行っていた。軍人や考古学者らで構成され、現地住民を雇用して行う活動は、日本側と比較にならないほどの規模だ。「圧倒的な物量と組織戦で挑む米国に対し、われわれはゲリラ戦。今も戦時中の構図と変わらない」。活動を目の当たりにした日本人は言葉を失った。

 最前線で汗を流す米軍兵士は「戦死者を絶対に置き去りにしない」と断言する。世界で戦う米国にとって、遺骨収集は文字通り「国の責務」だ。

 国のために死力を尽くした同胞の屍(しかばね)は国へ、家族の元へ帰ることを願ったはずだ。そこに戦勝国と敗戦国の違いはない。尊い命を引き換えにした戦没者との約束を国は果たさなければならない。

 「今さら…」と否定的な意見もある。現実的にすべての遺骨を収容することは不可能だ。だからといって国家が目を背けられる理由はない。戦後の節目ごとの勇ましい言葉、きれい事はいらない。「自分ならば、やはり帰りたい」。戦没者や待つ人に自分を重ねあわせたとき、初めて身近に感じられるはずだ。

今だけ生きていいのか

 戦没者に対し、今を生きるわれわれが共通の尊敬の念を持てないのはなぜか。そこに、戦後日本の“欠落”がありはしないか。

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