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【理研CDBが語る】器官再生医療の産業化で健康長寿社会の実現を目指す

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【理研CDBが語る】
器官再生医療の産業化で健康長寿社会の実現を目指す

成体マウスの幹細胞から毛包原基を再生し、ヌードマウスに移植して生えた再生毛

 ほぼすべての器官は、胎児の時期に誘導される、器官のもととなる器官原基から発生する。器官原基は、体表面を覆う上皮性幹細胞と、その内側にある間葉性幹細胞の相互作用によって誘導される。

 私たちは、体の中からこれらの器官のもととなる2種類の幹細胞を取り出して、それぞれの器官原基を再生する技術を開発した。この原基を、器官を失った場所に移植して、神経や周囲の組織と連携して機能的な器官再生が可能であることを実証し、器官再生に道を開いた。

 これらの器官の中で、最も実用化に近いのが毛包だ。毛包は毛髪を作り出す器官で、自分自身の毛包から幹細胞を採取できる。先天的な乏毛(ぼうもう)症や男性型脱毛症、女性の脱毛など髪に悩みを抱える人は多い。再生医療の産業化も重要な課題だ。私たちは毛包再生から、世界で初めての器官再生医療の実現と産業化に挑む。

      

 辻孝(つじ・たかし) 九州大大学院修了。山之内製薬(現アステラス製薬)研究員、日本たばこ産業株式会社医薬探索研究所主任研究員、東京理科大学基礎工学部教授、同大総合研究機構教授を経て、平成26年より理研CDB器官誘導研究チームリーダー。再生医療の中でも発生原理に基づいた器官再生やヘルスケア分野の技術開発に取り組み、複数の民間企業と共同して、基礎のイノベーションから臨床応用の実現を目指す。

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