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【亀岡典子の恋する伝芸】師匠が黒を白といっても「黒は黒」の時代 名人に聞く-文楽三味線・鶴澤寛治(下)

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【亀岡典子の恋する伝芸】
師匠が黒を白といっても「黒は黒」の時代 名人に聞く-文楽三味線・鶴澤寛治(下)

インタビューに答える鶴澤寛治さん=奈良県生駒市(岡本義彦撮影)

 --文楽の三味線の魅力は究極、どこにあると思われますか

 寛治 私が若いときは名人がたくさんいらっしゃいました。それぞれ素晴しかったのですが、共通しているのは、人間の品位が音色に出ていたということです。三味線はそういうものも描き出します。

 --今後、勤めたい曲などありますか

 寛治 若き日、豊竹山城少掾(とよたけやましろのしょうじょう)師匠と四代目鶴澤清六師匠で聞いた「二月堂」の素晴らしさは忘れられません。今も耳に残っています。ほんまに涙が出ました。浄瑠璃とはこんなええもんかいなと思いました。いまの願いは、死ぬまでにもう一回、奈良の興福寺さんで「二月堂」をやりたい、そのことですね。

亀岡典子(かめおか・のりこ) 亀岡典子(かめおか・のりこ) 産経新聞文化部編集委員。芸能担当として長らく、歌舞伎、文楽、能など日本の古典芸能を担当。舞台と役者をこよなく愛し、休みの日も刺激的な舞台を求めて劇場通いをしている。紙面では劇評、俳優のインタビューなどを掲載。朝刊文化面(大阪本社発行版・第3木曜日)で、当コラムと連動させた役者インタビュー「平成の名人」を連載中。

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