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【記憶遺産】
東寺百合文書「さらに大きく評価された」京都府立資料館
ユネスコ記憶遺産の国内候補となっている「東寺百合文書」。東寺百合文書桐箱 =9月30日、京都市左京区の京都府立総合資料館(志儀駒貴撮影)
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が世界記憶遺産に登録した「東寺百合文書」を所蔵する京都府立総合資料館(京都市左京区)。金谷浩志館長は「やきもきしたが選ばれて大変うれしい。東寺百合文書の資料的価値はさらに大きく評価された」と喜んだ。
一方、東寺の森泰長執事長は「千年以上、文書が伝えられてきたのは寺の徹底した管理と資料館の整理・公開事業の結果」としたうえで「これを機に世界の人に関心をもってもらえれば」とした。
百合文書は中世を中心に江戸時代までの約2万5千通に及び、資料は保存のため京都府が約50年前、東寺から購入した。
約10年にわたり資料館で保存と研究に携わった上島有摂南大名誉教授(日本中世史)は「内容の善しあしに関係なく、これだけまとまった古文書が残るのは世界の中でもここだけだろう」と指摘する。
百合文書の魅力について、書かれている内容から歴史を読むだけでなく、膨大な古文書に使われている紙の大きさや質なども含め、当時の生々しい空気を感じることができる点にあるという上島名誉教授。
近年、資料館が鮮明な文書のデジタル画像8万枚を自由閲覧にしたことも評価し「世界のどこからでも、このような資料を見られるようにしたことが、決定の大きな要因になったに違いない」と資料館の努力をたたえた。
