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【理研CDBが語る】遺伝子と環境の連携が生み出す細胞の運命

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【理研CDBが語る】
遺伝子と環境の連携が生み出す細胞の運命

同じ時期に生まれた大脳皮質の細胞(白いライン)が一斉に外側へと移動し、次々と層を積み重ねてゆく

 では、早い時期に生まれる神経細胞を取り除いてしまってはどうだろう。脳の細胞はこのような理不尽な状況にも対応し、失った下層の神経細胞を再びつくり始めるのである。

 つまり、個々の細胞は生まれつき個性が決まっているようにみえて、周囲の状況を敏感に読み取りながら、自らの運命を柔軟に変えているのだ。

 脳の細胞がそれぞれの運命を選択し、適切な居場所を見つける仕組みにはまだまだ隠されたルールがありそうだ。

 タイムスケジュールに沿って生み出された個性豊かな細胞が周囲とコミュニケーションをとりながら、集団としての秩序を生み出していく過程を明らかにすることで、脳の構築原理に迫りたい。

     

 花嶋かりな(はなしま・かりな)

 早稲田大大学院修了。米国MSKCCがんセンター、ニューヨーク大スカーボール研究所を経て平成19年より理研CDB・大脳皮質発生研究チームリーダー。時空間軸に沿って脳の個性豊かな細胞がどのように生み出されていくのかをひもとくのが現在の課題。恐竜、忍者、ドライブ好きの5歳の息子の日々の行動を観察しながら、遺伝子と環境のどちらが重要かについて答えを模索中。趣味はダイビング、釣り、写真。

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